データ分析コーナーの使い方⑦
同じ血統でなぜ違いが生じるのか?と牝馬と牡馬の馬券的相違点
~フェアリーS3連単27万馬券的中から~
編:今年のフェアリーS、昨年以上にとんでもないことしちゃいましたね・・・。
今:豪快なの来たね~(笑)。
編:本命の10番人気ライジングリーズンが1着、対抗の7番人気モリトシラユリが3着、2着に4番手の1番人気アエロリット、予想評価1位-4位-2位の順ということで、3連複34060円の万馬券が2点目的中、3連単の275620円の20万馬券は7点目的中、馬単20000円は3点目、単勝3600円はもちろん1点目的中ということでした。これでフェアリーSは昨年に続いて本命が勝っての万馬券的中、しかも今回は27万馬券的中ですから、このあいだの34万馬券1点目ほどではなかったですけど、ほぼ完璧でしたね。
今:ワイドの73倍1点目的中も美味しかったよ。
編:ワイドで73倍って、なんかバカらしくなっちゃいますよね(笑)。68点同点で人気の方が2着だったので、ルールで3番目でなく4番目評価になるので3連複は1点目でなくて2点目的中でしたが、1番人気との組み合わせを同点だったメローブリーズより多めに買う人多いと思うので、実質本線で300倍当てた人も多いんじゃないですか。僕もそうでしたし(笑)。3連単は買いましたか?
今:モリトシラユリが少し減っていたから、ライジングリーズンから、2着付けに休み明けで良い感じの馬体増だったアエロリットにはいったからね。馬体重的に、そう買った人も多かったと思うよ。メローブリーズに有利になるほど雨もたいして降らないで良馬場だったし。
編:ということでお肉パーティーですから、今日は(笑)。ライジングリーズンの馬体増は大丈夫なんですよね?
今:そうだね。理想馬体重がプラス方向だったように、レース間隔が開いて前走太かったわけでもない3歳馬だから、疲れを取るには増えていた方が良いから。減るよりは10キロ前後でも増えていた方がベター。いつも言うように馬体重はベクトルが大事だから。ただ仮に10キロくらい減っていてもそれほど致命傷でもない。まだ1勝しかしていないで2戦のみの3歳馬で、レース間隔も開いているから、馬体重の許容範囲はかなり流動的になるんで。
編:それで馬体重に関する注意がなかったんですね。
今:そうだね。S質の強い血統だから流動性が余計に高いのもあるし。
編:あと、ビックリしたのは3着の7番人気モリトシラユリに関してですが、データ分析の解説です。引用すると、「前走ダートだった馬は11頭全て4着以下に凡走していた。でも、そのうち9頭が13番人気以下の超人気薄だから、全く力の足りない馬が多かったということで、このデータ数ではステップの有利不利は言えない。ダートからの一般論としては、人気で先行して楽勝してきて、控えることも出来るような馬がベターじゃないかな」ということでした。前走1番人気で1着、しかも先行して圧勝。それに加えて、2,3走前は差して好走しているので、控えることもできるって、解説通りドンピシャの馬じゃないですか・・・。
今:薄気味悪いくらいだったよね。
編:これって、モリトシラユリが出るって分かっていたのですか?
今:いや全く。いつも言ってるように、データ分析の解説の時に実際の馬を見てしまうと、その馬が来るかどうかというのを頭の中で考えないようにしても無意識に考えて、勝手にデータ分析を都合の良いように解説しちゃう可能性があるだろう?だから恣意性を無くすために、完全なるデータだけの話にするために、実際にどんな馬が出てくるかは全く知らない状態で、ここでは言われたステップの解説だけ。こうやって過去のデータをアクセスで集計しながら話しているわけだから。事前に下調べなんかしてないよ(笑)。
編:ですよね、あまりにもピッタリの馬だったもので(笑)。ピッタリ過ぎるので、これが本命かと思いましたが、対抗でしたが?
今:単純にライジングリーズンが凄く買いたい馬だったからね。いなかったら、こっちだったかな。それに2頭を比較すると使い詰めのぶん、単純疲労がモリトシラユリの方が上だし。Mの一般適用としてもライジングリーズン上位でよいんじゃないのかな。
編:ダートからの馬がデータ的にまだ来てないのに、データ分析でダートからの馬が来るパターンが分かるのがなんとも不思議なんですが、この「一般論」としてというのは、競馬理論としてということですか?それともMの?
今:Mっていうのはごく当たり前の競馬論だと思ってるから。まぁ、今まで誰からも、ダートが来るパターンとしてそういう話を聞いたことはないから、世の中の一般論という意味では違うかもしれないけど。といっても、そもそも競馬本も競馬雑誌も、もう15年以上、まともに読んだことないから、どこかで一般論になってたりするのかもしれないけど。僕自身は、ダートからの今回のステップのようなことについては機会がある度に言ってきたはずだから、聞いたことある人はいるんじゃないかな。
編:Mマニアならいるでしょうね~。
今:いつも話してるけど、競馬は毎年全く同じ馬が同じプロセスで出てくるということはあり得ないからね。誤解を恐れずに敢えて言い換えれば、常にデータ的な例外が走るのが競馬なんだ。だから、データ分析ではデータ的に何が来ているかではなく、どういうタイプが来ているのか、その理由、意味を考えないといけない。そうじゃなくちゃ、大穴は当てられないよ。だからここでも、常にどうしてそういう馬が来ているか、あるいは来ていないのか、その理由を話しているんだ。例えば前哨戦で3角4番手以内で5着だった馬が有利なら、その理由をね。理由さえ分かっていれば、今年は3角10番手だった馬が突如来たとしても、それを事前に予測出来る。それまでのステップやタイプを総合すればね。その為の準備を僕も含めてみんなでするのが、このコーナーの意義なんだよ。でも、そもそもモリトシラユリって、ダート以前に短縮ショッカーじゃなかった?
編:確かに・・・。で、なんでショッカーを押し退けてライジングの方が本命だったんですか?
今:中山の新馬が内容凄く良かったし、前走はテンション上がって全く競馬してないし、間隔開けて疲れ取ってフレッシュだし、血統やタイプ的に今の馬場のハイペースならピッタリで、調教もデビュー2戦と比べたら内容が良いし、他にもいろいろとあるけど。
編:ところで、ブラックタイドとディープインパクトって、血統は同じなのにどう違うんですか?
今:同じ血統でも、種牡馬によってタイプ分け、あるいはその血統地図における立ち位置は異なるということの象徴だよね。ディープインパクト産駒はどちらかというとLよりで、ブラックタイドはSより。後者は消耗戦を強引に走って強いタイプだ。ディープインパクト産駒が主流すぎているが故に、長距離の古馬ではマイナーな立ち位置であるブラックタイド産駒のキタサンブラックが強さを見せてきたのと、ディープインパクト産駒は牝馬の方が長距離の古馬チャンピオンレースで活躍してきたのと、そこには同じ構造があるということだね。血統が同じ種牡馬なのに、8枠に入った2番人気のディープインパクト産駒キャスパリーグは12着に惨敗して、全く同じ8枠で同じ脚質のブラックタイド産駒が10番人気で1着だったのは、そういうことだよ。同じ血統でも、その立ち位置とタイプで、全く違う激走傾向になるんだ。もちろん、臨戦過程の問題も大きいけど、普通に血統で考えれば、ライジングを本命にする以上、同枠で同脚質の人気馬キャスパリーグももっと上位評価するべきだろうからね。ただディープインパクト産駒が最近ややSよりの産駒を多く出してきているのが、これから少しこの傾向が変わってくる予兆なのかもしれないけど。だから、鮮度問題があったとは言え、有馬記念ではS質をある程度の割合で持っているサトノダイヤモンドを敢えて人気で本命にしたわけだ。その流れは今後少し注視していく必要はあるかもしれないよね。
話を戻すと、それもこれも中山マイルの大外枠の差し馬だったからね。ハイペースになるか馬群に潜り込むか、外差し馬場になるか、どれかがないとさすがに物理的に厳しい。その何れか1つさえ整えばかなりの確率で来ると思ってたよ。中山金杯の11番人気カムフィーは1つも揃わなかったから5着だったけどね。こっちの10番人気は狙い通りにハイペースになってくれて、1つは満たしたから勝った。外差し馬場ではないけど外差しの利くフラットな馬場ではあったしね。もちろんカムフィーだって、揃ってれば普通に来てたレースだったから。単純にそういうことだよ。
編:昨年は有馬、中山金杯、フェアリーSと連続で穴を当てましたが、今年も有馬、京都金杯、フェアリーSと昨年と似たような感じでノッてきてますので、その勢いで今週もいきたいですね~。
今:有馬の週はホープフルSも忘れちゃ駄目だよ(笑)。
編:そうでした。8番人気の人気薄マイネルスフェーン本命で3連複1点目的中でしたから、暮れから3週連続で重賞高配当当ててますね。
今:あれも2歳戦だったでしょう?
編:確かにそうですね。今週のフェアリーSは昨年に続いて万馬券的中ですから、やっぱり2,3歳戦は相変わらず強いってことですか?
今:ストレスが古馬と違って複合的でないから。古馬の場合は短期、中期、長期のストレスが重層的に折り重なっているから、その糸を慎重に解いていかないといけない。理論的に完璧性を満たして予想するのが僕のスタイルだから、まだレース数が少ない分、ストレスが重層的でない、ストレスの層が2,3層と薄い方が最後まで完璧に予想しやすい面はある。そうなれば、今回みたいに300倍だろうがなんだろうが、3点以内で当てられる確率は高くなる。古馬の場合はタイプ、性格をよく知っている馬というのが有利ではあるけど、そのぶん少し情も入るしね(笑)。
編:特に牝馬限定は好きですよね。昨年も秋華賞、桜花賞とか、本命が勝ちましたし。
今:牝馬は混戦になりやすいから、穴を当てるのは楽だよ。牡馬は重賞でもたまに惰性で走る単調なパワーレースになるときがあるから、そこが少しややこしい、リスク要因かな。牝馬は余程強くないと惰性で重賞は押し切れないから、ほとんどストレスとリズムのバランスで決まるんで、今回みたいに荒れれば荒れるほど、理論的に3点以内で当てられる確率は上がる。人気馬はストレスがあっても展開や枠順に恵まれれば力で来ることもあるけど、人気薄はストレスとリズムのバランスが完全でないとなかなか来ないんで、荒れる方が3点以内とかで、理詰めで来る馬を絞り込める確率が上がるんだ。
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